クラウド型Web脆弱性診断ツール導入検討のイメージ
📝
StackPicks編集部|SaaSツール専門の比較メディア。すべての記事は**編集部が実際にツールを操作し、検証した情報だけ**をお届けしています。机上の比較ではなく、実際に触った上での評価です。記事内のリンクから収益を得る場合がありますが、評価・推奨はすべて編集部の独立した判断に基づいています。

「セキュリティ診断、年1回の外注で本当に足りていますか?」── 脆弱性は毎日のリリースで生まれます

結論から言います。 クラウド型Web脆弱性診断ツールを選ぶうえで最も重要なのは、「脆弱性を見つけられること」ではなく「自社の開発体制──リリース頻度が高く開発パイプラインに組み込んで毎回自動スキャンしたいのか、セキュリティ専門チームが精度重視で網羅的に検査したいのか、セキュリティ人材がいない中でもAIの力で手軽に診断を始めたいのか──を踏まえ、“脆弱性を作り込まない開発サイクル”を無理なく定着させられるサービスを選ぶこと」です。

「セキュリティ診断は年に一度、外部ベンダーに依頼している」「診断のたびに数十万〜数百万円のコストがかかり、頻度を上げられない」「リリースのスピードを落とさずに脆弱性チェックを組み込みたいが、やり方がわからない」── こうした状況に心当たりはないでしょうか。

  • セキュリティ診断を外注するたびに高額なコストがかかり、年1〜2回しか実施できていない
  • アジャイル開発やCI/CDを導入しているのに、脆弱性チェックだけ手動のまま取り残されている
  • 経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」や取引先からのセキュリティ要件が年々厳しくなっている
  • OWASP Top 10は認識しているが、自社のWebアプリがどこまで対策できているか可視化できていない
  • SPAやAPIなどモダンなWebアプリケーションに対応した診断環境が整っていない

今回はこの「クラウド型Web脆弱性診断ツール」の中から、異なるアプローチを持つ3サービス──AeyeScan・Vex・VAddy──を、セキュリティ運用の実務に即した観点で比較します。

この記事で分かること
・AeyeScan / Vex / VAddy の「本質的な違い」── AIクローラーで手動診断に近い網羅性を自動実現するSaaS型プラットフォームか、自動×手動のハイブリッドで高精度な検出を追求する純国産診断ツールか、CI/CDパイプラインにネイティブ統合して開発サイクルごとに自動スキャンするDevSecOps志向のツールか
・脆弱性検出の精度・範囲 ── SQLインジェクション・XSS・認証不備など、どこまでの脆弱性をカバーできるか
・操作性・スキャン設定のしやすさ ── セキュリティ専門知識がなくても使いこなせるか
・CI/CD連携・開発ワークフローへの統合 ── 開発スピードを落とさずにセキュリティを組み込めるか
・料金体系 ── 診断頻度やアプリケーション規模に応じたコスト感と、導入のしやすさ
この記事は「DAST(動的アプリケーションセキュリティテスト)」に焦点を当てています
Web脆弱性診断には大きく分けて「DAST(Dynamic Application Security Testing=実際に動作するアプリケーションに対して外部からスキャンする)」と「SAST(Static Application Security Testing=ソースコードを静的に解析する)」の2つのアプローチがあります。本記事で取り上げる3サービスはいずれもDASTに分類されるツールです。SASTツール(SonarQube・Snyk Code等)やSCA(Software Composition Analysis:OSSライブラリの脆弱性管理)は対象外としています。

Web脆弱性診断の基礎知識

比較に入る前に、なぜ今「クラウド型の脆弱性診断ツール」が注目されているのか、基本的な仕組みを整理しておきましょう。

Web脆弱性診断(DAST)とは ── 稼働中のWebアプリケーションに対して、攻撃者の視点から自動的にリクエストを送り、SQLインジェクション・クロスサイトスクリプティング(XSS)・認証の不備などの脆弱性を検出するセキュリティテスト手法です。ソースコードが不要で、ブラウザからアクセスできるWebアプリケーションであればテスト対象にできるため、「開発言語やフレームワークに依存しない」のが大きな特徴です。

なぜ今、クラウド型の診断ツールが必要なのか:

① 外注型診断では頻度が追いつかない: 従来のセキュリティ診断は、外部のセキュリティベンダーに依頼して年1〜2回実施するのが一般的でした。しかし、アジャイル開発やCI/CDの普及により、Webアプリケーションのリリース頻度は週次・日次へと高速化しています。リリースのたびに外注診断を依頼していてはコストも時間も追いつきません。クラウド型の脆弱性診断ツールを導入すれば、必要なタイミングで何度でも自社内でスキャンを実行できます。

② 攻撃手法の多様化で「年1回の診断」では間に合わない: 新しい脆弱性(CVE)は年間数万件ペースで公開されており、昨年の診断で「問題なし」だった箇所が、今年の攻撃手法には脆弱になっているケースは珍しくありません。継続的にスキャンを実行し、脆弱性を早期発見・早期修正するサイクルを回すことが重要です。

③ 規制・ガイドラインの要求水準が上がっている: 経済産業省の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」やPCI DSS、ISMS(ISO 27001)など、定期的な脆弱性診断の実施を求める規格やガイドラインが増えています。取引先やグループ企業からのセキュリティ要件として「脆弱性診断の実施証明」を求められるケースも増加しており、コスト効率の良い診断体制の整備が急務となっています。

Web脆弱性診断に関する基本用語:

  • DAST(Dynamic Application Security Testing): 動作中のアプリケーションに対して外部からスキャンを実行する動的テスト。本記事で比較する3ツールはすべてDASTに該当
  • OWASP Top 10: Webアプリケーションにおける最も重大なセキュリティリスクのトップ10を定期的に公表するプロジェクト。診断ツールの検出範囲を評価する基本指標
  • OWASP ASVS: Webアプリケーションのセキュリティ検証基準。診断項目の網羅性を評価するフレームワーク
  • クローラー: 脆弱性診断の前段階として、Webサイト内のページ・フォーム・APIエンドポイントを自動的に探索する機能
  • DevSecOps: 開発(Dev)・セキュリティ(Sec)・運用(Ops)を一体化し、開発パイプラインの中にセキュリティを組み込む考え方

3サービスの基本比較 ── まず全体像を掴みましょう

項目AeyeScanVexVAddy
運営株式会社エーアイセキュリティラボ(SHIFTグループ)株式会社ユービーセキュア(UBSECURE Inc.)株式会社ビットフォレスト(Bitforest Co., Ltd.)
アプローチAIクローラーが人間のようにサイト内を自動巡回し、手動診断に近い網羅性を自動で実現。SPA・API・モバイルアプリにも対応する次世代型自動診断×手動診断のハイブリッドで高精度な脆弱性検出を追求。純国産ならではの日本語固有脆弱性への対応とプロフェッショナル向けの柔軟な設定CI/CDパイプラインにネイティブ統合し、リリースのたびに自動スキャンを実行。開発スピードを落とさないDevSecOps志向の設計
対象ユーザーセキュリティ専門人材が不足している企業・自社内で脆弱性診断を内製化したい組織セキュリティチーム・診断ベンダー・高精度な診断を求める企業の品質保証部門CI/CDを導入済みの開発チーム・DevSecOpsを推進するエンジニア組織
導入形態SaaS(クラウド型・ブラウザで操作)SaaS(VexCloud)/ オンプレミス(Vexパッケージ)SaaS(クラウド型・APIベース)
料金要問い合わせ(SaaS型サブスクリプション。従来の外注診断費用の約1/5を謳う)要問い合わせ(2026年4月に3プラン構成へ刷新。パートナー経由での導入も可能)Professional ¥19,800/月〜、Enterprise ¥59,800/月〜、Advanced ¥99,800/月〜(税抜)
特長AIによる自動巡回・テストシナリオの自動生成・OWASP ASVS対応・SPA/API対応・ITR Market View 2026でSaaS型Web脆弱性診断市場シェアNo.1・モバイルアプリ診断(2026年追加)・300社以上の導入実績純国産・国内脆弱性診断ツールシェアNo.1・マルチバイト/日本語固有の脆弱性に対応・3種類のシナリオ作成機能・NRIセキュア/TIS/IWI等パートナーエコシステム・手動診断の内製化支援サービスCI/CD統合(Jenkins・GitHub Actions・GitLab CI等)・APIベースのスキャン実行・高速スキャン・DX・AI導入補助金2026対象ツール・手動診断オプション追加(2026年)・明確な料金体系

比較① 脆弱性検出の精度・範囲 ── どこまでの脆弱性を見つけられるか

項目AeyeScanVexVAddy
OWASP Top 10◎ OWASP Top 10の主要カテゴリを網羅。OWASP ASVSに沿った診断項目で、国際基準に準拠した検査が可能◎ OWASP Top 10を網羅。加えて日本語環境特有の脆弱性(マルチバイト文字に起因する問題等)にも対応◎ OWASP Top 10の主要脆弱性(SQLインジェクション・XSS・CSRF等)をカバー。開発サイクルに影響の大きい重要脆弱性にフォーカス
クローリング精度◎ AIクローラーが画面遷移・フォーム入力・JavaScript実行を自動で判断し、人間が操作するようにサイト内を深く巡回。SPA(React・Vue等)にも対応◎ 3種類のシナリオ作成方式(自動巡回・プロキシ記録・手動設定)で、複雑な画面遷移やログイン後の画面も柔軟に対応○ ユーザーが事前に操作を記録してスキャン対象を定義する方式。自動クローリングではなく、テスト対象を明確に指定する設計
認証・セッション管理◎ ログイン後の画面も自動巡回可能。認証情報を設定すればログイン状態を維持したスキャンを実行◎ 複雑な認証フロー(多要素認証・SAML・OAuth等)にも対応。シナリオベースで認証後の画面を網羅的に検査◎ プロキシ方式で認証後のリクエストを記録し、認証が必要なページもスキャン対象に含められる
API診断◎ REST APIの脆弱性診断に対応。OpenAPI仕様のインポートにも対応◎ REST API・SOAP APIの診断に対応。APIの仕様に応じたカスタムスキャンが可能◎ REST APIの脆弱性スキャンに対応。CI/CDパイプライン内でのAPI診断に最適化
検出精度の特徴◎ AIによる誤検知の自動抑制。検出結果の信頼度スコアを提示し、トリアージの優先度判断を支援◎ 長年の実績に基づく検出ロジックで高い検出率と低い誤検知率を両立。セキュリティ診断ベンダーが採用する品質○ 高速スキャンを優先しつつ、重大な脆弱性を確実に検出する設計。深い検査よりもスピードと開発フローへの統合を重視

脆弱性検出の精度・範囲の総評:

AeyeScan の最大の強みは**「AIクローラーによる自動巡回の網羅性」**です。従来の自動スキャナーが苦手とするSPA(シングルページアプリケーション)やJavaScriptで動的に生成されるコンテンツも、AIが人間のブラウザ操作を模倣して深く巡回します。「手動診断に近い網羅性を、自動化されたコストで実現する」というコンセプトが特徴で、セキュリティ専門人材がいなくても、外注診断に近い品質のスキャンを自社内で実行できます。ITR Market View 2026でSaaS型Webアプリケーション脆弱性診断市場シェアNo.1を獲得しており、市場からの評価も高い点が安心材料です。

Vex の特徴は**「純国産ならではの検出精度と柔軟性」**です。国内の脆弱性診断ベンダー(NRIセキュア・TIS・IWI等)がプロフェッショナル向けの診断に採用しているツールであり、マルチバイト文字コードに起因する日本語環境特有の脆弱性にも対応しています。3種類のシナリオ作成方式を用意しているため、「自動巡回で素早くスキャン」から「手動でシナリオを組んで精密に検査」まで、診断の深さを柔軟に調整できるのが強みです。セキュリティチームや品質保証部門が「診断の精度にこだわりたい」場面で真価を発揮します。

VAddy は**「開発パイプラインへの統合」に特化した設計**が特徴です。検出精度よりも「開発スピードを落とさずに、リリースのたびに脆弱性チェックを自動実行する」ことを重視しています。スキャン速度が速く、CI/CDパイプラインの中で数分〜十数分で主要な脆弱性をチェックできるため、「デプロイ前の品質ゲート」として組み込むのに適しています。「年1回の精密検査」ではなく「毎日の健康チェック」というアプローチです。

比較② 操作性・スキャン設定のしやすさ ── 誰でも使いこなせるか

項目AeyeScanVexVAddy
初期セットアップ◎ SaaS型のため、アカウント作成→対象URLを入力→スキャン開始まで最短数分。AIが巡回設定を自動生成○ VexCloudはSaaS型で比較的手軽に開始可能。オンプレミス版は環境構築が必要。いずれもシナリオ作成に一定の学習が必要◎ SaaS型でアカウント作成後すぐに利用可能。プロキシ設定で操作を記録するシンプルな手順
スキャン設定◎ AIが対象サイトを自動解析し、テストシナリオを自動生成。細かな設定不要で本格的な診断を開始できる◎ 3種類のシナリオ作成方式で柔軟な設定が可能。プロフェッショナルが細部まで制御できる反面、初心者には学習コストがある◎ 開発者フレンドリーなUIとAPIで、ブラウザ操作を記録してスキャン対象を定義するシンプルな方式
日本語対応◎ 管理画面・レポート・サポートすべて日本語対応。国産サービスならではの安心感◎ 管理画面・レポート・サポート・ドキュメントすべて日本語対応。純国産ツール◎ 管理画面・レポート・サポート・ドキュメントすべて日本語対応。国産サービス
レポーティング◎ 脆弱性の重要度・影響範囲・修正方法をわかりやすくレポート。経営層向けサマリーと技術者向け詳細の両方を生成◎ 詳細な技術レポートに加え、PCI DSS・ISO 27001等のコンプライアンス向けレポートにも対応○ 検出された脆弱性の一覧と修正ガイダンスを提供。シンプルで開発者が即座にアクション可能な形式
学習コスト◎ セキュリティ専門知識がなくても直感的に操作可能。AIが設定を自動化するため、最小限の学習で始められる△ 高機能な分、シナリオ作成やスキャン設定の理解に時間がかかる場合がある。内製化支援サービスあり◎ 開発者であれば馴染みやすいCLI/API中心の操作体系。セキュリティの専門知識は最小限でOK

操作性・スキャン設定のしやすさの総評:

AeyeScan は**「セキュリティの専門知識がなくても始められる」**設計が特徴です。対象URLを入力するだけでAIが自動巡回を開始し、テストシナリオも自動生成するため、「脆弱性診断をやりたいが、何から設定すればいいかわからない」という組織にとって非常に導入しやすい設計です。レポートも経営層向けのサマリーと技術者向けの詳細が両方生成されるため、「診断結果を上長に報告する」場面でもそのまま活用できます。

Vex は**「プロフェッショナルが満足する柔軟性」**を重視した設計です。3種類のシナリオ作成方式を組み合わせることで、単純なWebサイトから複雑な業務アプリケーションまで、あらゆるタイプのWebアプリケーションに対応できます。学習コストはやや高めですが、ユービーセキュアが提供する「内製化支援サービス」を利用すれば、セキュリティ診断の実施方法からシナリオ作成のノウハウまでトレーニングを受けられます。診断ベンダーレベルの精度で自社診断を行いたい組織にとっては、この学習コストは十分に回収できる投資です。

VAddy は**「開発者にとってのわかりやすさ」**を追求した設計です。コマンドラインやAPIからスキャンを実行できるため、普段ターミナルで作業しているエンジニアにとっては馴染みやすい操作体系です。「セキュリティの専門用語を覚えなくても、普段の開発ツールの延長線上でセキュリティテストを実行できる」というのがVAddyのアプローチであり、DevSecOpsの第一歩として取り入れやすい設計になっています。

比較③ CI/CD連携・開発ワークフローへの統合 ── 開発スピードを犠牲にしないか

項目AeyeScanVexVAddy
CI/CD連携○ API経由でのスキャン実行に対応。CI/CDパイプラインからの呼び出しが可能だが、主な利用シーンはスケジュール実行や手動実行○ VexCloud版でAPI連携に対応。主に独立した診断フローとしての利用が中心で、CI/CDパイプラインへの緊密な統合は設計の主眼ではない◎ Jenkins・GitHub Actions・GitLab CI・CircleCI等との直接統合プラグインを提供。CI/CDパイプラインの「品質ゲート」としてネイティブに組み込める
スキャン速度○ AI巡回による網羅的なスキャンのため、サイト規模に応じて数時間〜かかる場合がある。スケジュール実行で深夜に自動実行するのが一般的○ 診断の深さに応じて変動。網羅的なスキャンは時間がかかるが、診断対象を絞った高速スキャンも可能◎ 主要な脆弱性を高速にスキャンする設計。CI/CDパイプライン内で数分〜十数分で完了し、デプロイを長時間ブロックしない
スケジュール実行◎ スキャンスケジュールを設定して定期的な自動実行が可能。毎日・毎週など柔軟に設定○ VexCloud版でスケジュール設定が可能◎ CI/CDパイプラインのトリガー(コミット・マージ・デプロイ時)に連動して自動実行。cronベースのスケジュールも設定可能
結果通知◎ メール・Slack等への通知連携に対応。脆弱性検出時にアラートを即座に送信○ レポート出力・メール通知に対応◎ Slack・メール・Webhook等への通知連携。CI/CDの結果としてパス/フェイルを返すため、デプロイの可否判断に直結
開発ワークフロー適合性◎ 「定期的な網羅診断」に最適。アジャイル開発のスプリント単位でスケジュール実行し、リリース前にまとめてチェックする運用に適する◎ 「リリース前の精密検査」に最適。重要なリリースの前にプロフェッショナルレベルの診断を実施する運用に適する◎ 「毎回のデプロイ時の自動チェック」に最適。コミット→ビルド→テスト→脆弱性スキャン→デプロイの一連のフローに組み込む運用に適する

CI/CD連携・開発ワークフローへの統合の総評:

AeyeScan は**「定期的な網羅診断の自動化」**に強みを持ちます。AIクローラーによるスキャンはサイト全体を網羅的にカバーするため、1回のスキャンに一定の時間がかかりますが、その分だけ検出の網羅性が高いのが特徴です。「毎週末に自動スキャンを実行し、月曜日に結果を確認して修正に取りかかる」といった運用フローに適しています。アジャイル開発のスプリントサイクルに合わせたスケジュール実行で、定期的にセキュリティ品質をチェックする使い方が効果的です。

Vex は**「重要リリース前の精密検査」**に最適なポジショニングです。CI/CDパイプラインへの緊密な統合は設計の主眼ではありませんが、リリース前の品質保証フェーズで「プロフェッショナルレベルの精密診断を実施する」という使い方で真価を発揮します。シナリオを細かく設定して、認証後の複雑な画面遷移やビジネスロジックの脆弱性まで深く検査できるため、「CI/CDでの日常的な自動スキャン」と「リリース前のVexによる精密検査」を組み合わせる二段構えの運用がおすすめです。

VAddy は**「CI/CDパイプラインへのネイティブ統合」**において3サービスの中で最も強力です。Jenkins・GitHub Actions・GitLab CI等との公式連携プラグインが用意されており、「コードをpushしたら自動でビルド→テスト→脆弱性スキャン→結果OK→デプロイ」という一連のフローをシームレスに構築できます。スキャン速度が速いため、デプロイを長時間ブロックしない点も開発チームにとって大きなメリットです。「セキュリティテストを開発プロセスの一部にしたい」というDevSecOpsの実践に最も適したツールです。

比較④ 料金体系・導入サポート ── コストと始めやすさ

項目AeyeScanVexVAddy
料金モデルSaaS型サブスクリプション(要問い合わせ)。従来の外注診断費用の約1/5のコストを謳う要問い合わせ(2026年4月に3プラン構成へ刷新)。オンプレミス版・VexCloud版の2形態。パートナー経由での導入も可能Professional ¥19,800/月(¥198,000/年)、Enterprise ¥59,800/月(¥598,000/年)、Advanced ¥99,800/月(¥998,000/年)(税抜)
無料トライアル◎ 無料トライアルあり(要問い合わせ)○ デモ・PoC対応あり(要問い合わせ)◎ 無料プランあり(機能限定)。有料プランのトライアルも対応
導入支援◎ カスタマーサクセスチームによる導入支援・運用サポート。診断結果の読み方や修正優先度の相談にも対応◎ 内製化支援サービス(トレーニング・ハンズオン研修)を提供。セキュリティ診断の実施方法からシナリオ作成まで指導◎ 技術サポート・ドキュメント・ナレッジベースを提供。開発者向けの導入ガイドが充実
公的補助金○ 情報セキュリティ関連の補助金対象となる場合あり(要確認)○ 情報セキュリティ関連の補助金対象となる場合あり(要確認)◎ DX・AI導入補助金2026の対象ツール(Advanced plan)。導入費用の最大50%・上限150万円の補助を受けられる可能性
導入実績◎ 300社以上の導入実績。ITR Market View 2026でSaaS型Web脆弱性診断市場シェアNo.1◎ 国内脆弱性診断ツールシェアNo.1。NRIセキュア・TIS・IWI等の大手パートナーが採用。金融・官公庁での導入実績多数◎ 国内外の開発チームで採用。CI/CD統合型の脆弱性診断ツールとしての知名度が高い

料金体系・導入サポートの総評:

AeyeScan料金が要問い合わせですが、「従来の外注診断費用の約1/5」をコスト削減の目安として掲げています。年数回の外注診断に数十万〜数百万円を費やしている企業にとっては、定額のサブスクリプションで何度でもスキャンを実行できるメリットは大きいです。SaaS型Webアプリ脆弱性診断市場でシェアNo.1という実績は、ツール選定時の安心材料となります。カスタマーサクセスチームによる導入支援も充実しており、「脆弱性診断を初めて自社で実施する」企業でもスムーズに立ち上げられます。

Vexパートナーエコシステムが充実しているのが特徴です。NRIセキュア・TIS・IWIといった大手セキュリティベンダーがVexを採用しているため、「ツールの導入だけでなく、診断の運用設計や人材育成まで含めてサポートしてほしい」というニーズにも応えられます。内製化支援サービスでは、セキュリティ診断の実施方法からシナリオ作成のベストプラクティスまでハンズオン研修を受けられるため、「自社のセキュリティチームのスキルを底上げしたい」という目的にも活用できます。

VAddy料金体系が明確に公開されており、予算の見通しが立てやすいのが強みです。Professional ¥19,800/月〜という価格帯は、中小企業やスタートアップにとっても手を出しやすい水準です。さらに、DX・AI導入補助金2026の対象ツール(Advanced plan)に認定されており、導入費用の最大50%・上限150万円の補助を受けられる可能性があるため、実質的なコストをさらに抑えられます。無料プランも用意されているので、まずは機能を試してから有料プランへアップグレードする段階的な導入が可能です。

「ツールを導入すれば安心」ではなく、検出された脆弱性への対応体制もセットで考えることが大切です
脆弱性診断ツールは「脆弱性を見つける」までがツールの役割です。見つかった脆弱性を「誰が・いつまでに・どのように修正するか」というワークフローを事前に整備しておかないと、検出結果が放置されてしまいます。特に重大な脆弱性(SQLインジェクション・認証バイパス等)が検出された場合の緊急対応フローを、開発チームとセキュリティ担当の間で事前に合意しておくのがおすすめです。
3サービスとも無料トライアルまたはPoC対応を提供しています
AeyeScanは無料トライアル、Vexはデモ・PoC対応、VAddyは無料プランを提供しています。まずは自社のWebアプリケーション1〜2サイトでスキャンを実行し、「検出精度」「操作のしやすさ」「レポートのわかりやすさ」「開発ワークフローとの相性」を実環境で確認してから導入を判断するのがおすすめです。

導入前に確認しておきたいポイント

「外注診断」と「ツール導入」は役割が異なります

外部のセキュリティベンダーによる手動診断は、ツールでは検出が難しい「ビジネスロジックの脆弱性」や「設計レベルのセキュリティ問題」を発見できる強みがあります。一方、クラウド型の診断ツールは「頻度を高く、コストを抑えて、主要な脆弱性を継続的にチェックする」ことに強みがあります。両者は競合するものではなく、「日常の健康チェック(ツール)」と「年1回の人間ドック(外注診断)」の関係に近い使い分けがおすすめです。

「本番環境」へのスキャンには注意が必要です

脆弱性診断ツールは対象サイトに大量のリクエストを送信するため、本番環境に対してスキャンを実行すると、パフォーマンスへの影響やデータの変更(フォームの自動送信等)が発生する可能性があります。最初はステージング環境やテスト環境でスキャンを実施し、本番環境への影響を確認してから対象を広げていくのが安全です。

「DAST」だけでなく「SAST」「SCA」との組み合わせも視野に入れるのがおすすめです

DASTは「外部から攻撃者の視点でテストする」アプローチですが、ソースコードの内部に潜む脆弱性はSAST(静的解析)、利用しているOSSライブラリの既知の脆弱性はSCA(ソフトウェア構成分析)でカバーするのが効果的です。理想的には、DAST・SAST・SCAを組み合わせた多層的なセキュリティテストを構築することで、より堅牢なWebアプリケーションを実現できます。

よくある質問

セキュリティの専門知識がなくても脆弱性診断ツールを使えますか?
AeyeScanとVAddyは、セキュリティの専門知識がなくても始められるように設計されています。AeyeScanはAIが巡回やテストシナリオを自動生成するため、対象URLを入力するだけでスキャンを開始できます。VAddyは開発者が日常的に使うCI/CDツールの延長線上で操作できるため、セキュリティの専門用語に詳しくなくても導入可能です。Vexは高機能な分だけ学習コストがありますが、内製化支援サービスでトレーニングを受けられます。
スキャンにどのくらい時間がかかりますか?
サイトの規模(ページ数・フォーム数)と診断の深さによって大きく変わります。VAddyは高速スキャン設計で、数分〜十数分で主要な脆弱性チェックが完了するため、CI/CDパイプライン内での利用に適しています。AeyeScanはAIによる網羅的な巡回を行うため、サイト規模に応じて数十分〜数時間かかる場合がありますが、その分だけ検出の網羅性が高まります。Vexはシナリオの設定次第で柔軟に調整可能です。いずれも、スケジュール実行機能を使えば深夜や休日に自動スキャンを実行し、翌営業日に結果を確認する運用が可能です。
脆弱性が見つかった場合、修正方法もわかりますか?
3サービスとも、検出された脆弱性ごとに「どのような脆弱性か」「リスクの深刻度」「推奨される修正方法」をレポートで提示します。AeyeScanは修正優先度のスコアリングを行い、どの脆弱性から対応すべきかのトリアージを支援します。Vexはセキュリティ診断のプロフェッショナルが利用するレベルの詳細な技術情報を提供します。VAddyは開発者がすぐにアクションを取れるシンプルな修正ガイダンスを提示します。
複数のWebサイト・Webアプリケーションをまとめて診断できますか?
3サービスとも、複数のWebサイト・Webアプリケーションを管理画面上で一元管理し、それぞれに対してスキャンを実行できます。VAddyのEnterprise・Advancedプランでは複数のプロジェクトを同時にスキャンできるため、マイクロサービスアーキテクチャなど複数のサービスを運用している環境にも対応可能です。具体的な登録可能サイト数やスキャンの同時実行数はプランによって異なるため、導入前に確認するのがおすすめです。

編集部の結論

大切なのは「脆弱性診断ツールを導入すること」自体ではなく、「自社の開発体制──どのくらいの頻度でリリースしているか、セキュリティ専門の人材がいるか、脆弱性の修正フローは整備されているか──に合ったツールを選び、"脆弱性を作り込まない開発サイクル"を定着させること」です。

「セキュリティの専門人材が不足していても、AIの力で手動診断に近い品質の診断を自社内で実現したい」「SPA・API・モバイルアプリまで含めた網羅的な診断を自動化したい」「まずは外注診断のコストを大幅に削減したい」企業にはAeyeScanがおすすめです。

「診断精度を最優先し、プロフェッショナルレベルの検査を自社内で実施したい」「複雑な業務アプリケーションの認証後画面やビジネスロジックまで深く検査したい」「セキュリティチームのスキル向上と内製化を同時に進めたい」企業にはVexがおすすめです。

「CI/CDパイプラインにセキュリティテストを組み込み、リリースのたびに自動で脆弱性チェックを実行したい」「開発スピードを落とさずにDevSecOpsを実践したい」「明確な料金体系で予算管理がしやすいツールを選びたい」企業にはVAddyがおすすめです。

迷ったら、まず自社のWebアプリケーション1〜2サイトで各ツールのトライアルを試し、「検出される脆弱性の内容と精度」「日常の開発フローとの相性」「レポートのわかりやすさ」を比較するのがおすすめです。また、「VAddyで日常的な高速スキャン」+「AeyeScanまたはVexでスプリント/リリース前の網羅的診断」という組み合わせも効果的なアプローチです。

まとめ:選び方の3つのポイント

  • AI自動巡回×網羅的診断の自動化なら → AeyeScan(株式会社エーアイセキュリティラボ運営・SHIFTグループ・AIクローラーによる自動巡回・テストシナリオの自動生成・OWASP ASVS対応・SPA/API/モバイルアプリ対応・ITR Market View 2026 SaaS型Web脆弱性診断市場シェアNo.1・300社以上の導入実績・セキュリティ専門知識不要・外注診断費用の約1/5のコスト・要問い合わせ)
  • 純国産×プロフェッショナル品質の精密診断なら → Vex(株式会社ユービーセキュア運営・純国産Web脆弱性診断ツール・国内脆弱性診断ツールシェアNo.1・マルチバイト/日本語固有脆弱性対応・3種類のシナリオ作成方式・NRIセキュア/TIS/IWI等パートナーエコシステム・内製化支援サービス・SaaS版/オンプレミス版・金融/官公庁の導入実績多数・要問い合わせ)
  • CI/CD統合×DevSecOpsの実践なら → VAddy(株式会社ビットフォレスト運営・CI/CDパイプラインへのネイティブ統合・Jenkins/GitHub Actions/GitLab CI等対応・高速スキャン・開発者フレンドリー・DX・AI導入補助金2026対象ツール・無料プランあり・Professional ¥19,800/月〜・Enterprise ¥59,800/月〜・Advanced ¥99,800/月〜)