ESG・CO2排出量管理ツール導入検討のイメージ
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「CO2排出量、把握できていますか?」── 脱炭素対応は”やるかやらないか”ではなく”いつ始めるか”の問題です

結論から言います。 クラウド型ESG・CO2排出量管理ツールを選ぶうえで最も重要なのは、「CO2排出量が計算できること」ではなく「自社の脱炭素経営の課題──グローバル拠点を含むScope 1〜3の排出量を一元管理して投資家・取引先への開示に対応したいのか、電力・ガスの請求書をアップロードするだけで手軽にCO2排出量を可視化して削減施策につなげたいのか、AIを活用してサプライチェーン全体の排出量を高精度に算定し第三者保証まで見据えた体制を構築したいのか──を踏まえ、“自社の脱炭素ロードマップを推進できるCO2管理基盤”を選ぶこと」です。

「取引先から『CO2排出量データを提出してほしい』と言われたが、何から手をつければいいかわからない」「CSR報告書に排出量を記載しているが、Excelでの手計算で正確性に不安がある」「Scope 3のサプライチェーン排出量まで把握しないと、今後の取引に影響が出そうだ」── こうした状況に心当たりはないでしょうか。

  • 気候変動対応やESG情報開示の要請が年々強まっているが、社内に専門人材がいない
  • CO2排出量の算定をExcelで行っており、計算ミスや集計作業に時間がかかりすぎている
  • 自社のScope 1・2は把握しているが、Scope 3(サプライチェーン排出量)の算定に手が回っていない
  • TCFD・CSRD・ISSBなどの国際開示基準への対応をどう進めればいいかわからない
  • 脱炭素を経営課題として認識しているが、具体的な削減施策の立て方がわからない

今回はこの「クラウド型ESG・CO2排出量管理ツール」の中から、異なるアプローチを持つ3サービス──zeroboard・e-dash・アスエネ──を、脱炭素経営の実務に即した観点で比較します。

この記事で分かること
・zeroboard / e-dash / アスエネ の「本質的な違い」── グローバル企業のScope 1〜3を一元管理するエンタープライズGHG管理プラットフォームか、請求書アップロードで手軽に排出量を可視化して中小企業でもすぐ始められるカーボンマネジメントサービスか、AIで排出量算定を高精度化しサプライチェーン全体の脱炭素を推進するプラットフォームか
・排出量算定の網羅性 ── Scope 1・2・3のどこまで、どの精度で算定できるか
・サプライチェーン連携 ── 取引先の排出量データをどう収集し、Scope 3算定に活用できるか
・レポーティング・開示対応 ── TCFD・CSRD・CDP・GHGプロトコルなど主要フレームワークへの対応状況
・料金体系 ── 企業規模・拠点数に応じたコスト感と導入のしやすさ
この記事は「クラウド型のCO2排出量管理SaaS」に焦点を当てています
コンサルティングファームが提供するESGアドバイザリーサービスや、環境コンサルタントによる算定代行サービスとは異なり、本記事では自社でCO2排出量の算定・管理・開示を継続的に行えるSaaS型のプラットフォームを取り上げます。

ESG・CO2排出量管理の基礎知識

比較に入る前に、なぜ今「CO2排出量管理」が企業にとって避けて通れないテーマになっているのか、基本的な仕組みを整理しておきましょう。

GHG(温室効果ガス)排出量のScope分類とは ── 企業のCO2排出量は、GHGプロトコルという国際基準に基づき、Scope 1(直接排出:自社の工場・車両など)、Scope 2(間接排出:購入した電力・熱など)、Scope 3(その他の間接排出:サプライチェーン上の原材料調達・輸送・製品の使用・廃棄など15カテゴリ)の3段階で分類されます。

なぜ今、CO2排出量管理が急務なのか:

① 情報開示の義務化・標準化が加速している: 日本では2023年度から有価証券報告書でのサステナビリティ情報開示が義務化され、2026年度以降はISSB(国際サステナビリティ基準審議会)基準に準拠した開示が求められる見込みです。EUではCSRD(企業サステナビリティ報告指令)により、EU域内で事業を行う企業に詳細なESG情報開示が義務付けられています。

② サプライチェーン全体でのCO2削減が取引条件になりつつある: 大手メーカーや小売チェーンが「サプライヤーにScope 1・2排出量データの提出を求める」ケースが増えています。Appleやトヨタをはじめとするグローバル企業がサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを宣言しており、取引先にも排出量の可視化と削減を要請しています。

③ 投資家・金融機関からのESG評価が経営に直結する: ESG評価の高い企業は資金調達コストが低くなり、低い企業は投資撤退(ダイベストメント)のリスクがあります。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った開示ができるかどうかが、機関投資家の投資判断に影響します。

CO2排出量管理に関する基本用語:

  • Scope 1(直接排出): 自社が直接排出するCO2。工場のボイラー・社用車のガソリン燃焼・自家発電など
  • Scope 2(間接排出): 購入した電力・蒸気・熱・冷房の使用に伴うCO2排出
  • Scope 3(その他間接排出): サプライチェーン上の排出。原材料調達・輸送・従業員の通勤・製品の使用・廃棄など15カテゴリに分類
  • GHGプロトコル: 温室効果ガスの排出量算定と報告に関する国際基準。世界中の企業・政府が採用
  • 排出原単位: 活動量あたりのCO2排出量(例:電力1kWhあたり○kg-CO2)。環境省が公表するデータベースなどを使用して排出量を算定する

3サービスの基本比較 ── まず全体像を掴みましょう

項目zeroboarde-dashアスエネ
運営株式会社ゼロボード(日本)e-dash株式会社(三井物産グループ・日本)アスエネ株式会社(日本)
アプローチScope 1〜3を網羅的に算定するエンタープライズ向けGHG管理プラットフォーム。グローバル拠点・サプライチェーンの一元管理に強い電力・ガスの請求書をアップロードするだけでCO2排出量を可視化できる手軽さが特徴。三井物産グループのエネルギー知見を活用AIを活用してCO2排出量を高精度に算定するプラットフォーム。サプライチェーン排出量の見える化と第三者保証対応に注力
対象ユーザー上場企業・グローバル企業・ESG情報開示が必要な中堅〜大企業初めてCO2排出量管理に取り組む中小〜中堅企業・脱炭素を手軽に始めたい企業サプライチェーン全体の排出量を把握したい製造業・中堅〜大企業
導入形態SaaS(ブラウザ)SaaS(ブラウザ)SaaS(ブラウザ)
料金要問い合わせ(企業規模・拠点数に応じた個別見積もり)無料プランあり(Scope 2の排出量可視化)/ 有料プランは要問い合わせ要問い合わせ(企業規模・算定範囲に応じた個別見積もり)
特長80カ国以上の排出原単位DB搭載・多言語対応(日英中)・製品別カーボンフットプリント算定・CDP/TCFD/CSRD対応レポート自動生成電気・ガスの請求書アップロードで即座に可視化・省エネ施策の提案機能・再エネ電力への切り替え支援・三井物産グループのネットワークAI搭載の排出量算定エンジン・50,000品目以上の排出原単位DB・サプライヤーデータ収集ポータル・第三者保証対応の算定ロジック

比較① 排出量算定の網羅性 ── Scope 1〜3をどこまでカバーできるか

項目zeroboarde-dashアスエネ
Scope 1(直接排出)◎ 燃料種別ごとの排出量を活動量データから自動算定。ボイラー・社用車・自家発電など幅広い排出源に対応◎ ガスの請求書データから排出量を自動算定。燃料種別の手入力にも対応◎ AI支援による燃料・プロセス排出の自動分類と算定。製造業のプロセス排出にも対応
Scope 2(間接排出)◎ 電力・蒸気・熱・冷房の排出量を算定。ロケーション基準・マーケット基準の両方に対応◎ 電力会社の請求書アップロードで自動可視化。無料プランでもScope 2の基本算定が可能◎ 電力・熱・蒸気のデータを自動取得し排出量を算定。電力会社APIとの連携にも対応
Scope 3(サプライチェーン)◎ 15カテゴリすべてに対応。カテゴリ別の算定手法を選択でき、一次データ・二次データの使い分けが可能○ 主要カテゴリに対応。算定支援コンサルティングを組み合わせることで網羅的な算定が可能◎ 15カテゴリに対応。AIが活動量データからカテゴリを自動分類し、算定精度を高める
排出原単位データベース◎ 80カ国以上の排出原単位を搭載。日本の環境省DB・IDEA v3・海外DBに対応○ 日本の環境省DB・電力会社別排出係数に対応◎ 50,000品目以上の排出原単位を搭載。独自DBと公的DBの併用で高精度な算定を実現
製品別カーボンフットプリント◎ 製品・サービス単位でのCFP(カーボンフットプリント)算定に対応。LCA(ライフサイクルアセスメント)ベース△ 製品別CFP算定は標準機能に含まれない(別途コンサルティング対応)◎ 製品・サービス単位のCFP算定に対応。AIが部品構成から排出量を自動推定

排出量算定の網羅性の総評:

zeroboard の強みは**「Scope 1〜3の15カテゴリすべてを網羅的にカバーし、80カ国以上の排出原単位DBを搭載している」エンタープライズ対応力**です。グローバルに拠点を持つ企業が、各国の排出係数を使って正確な排出量を算定できるため、海外拠点を含むグループ全体のGHG排出量を一つのプラットフォームで一元管理できます。製品別カーボンフットプリント(CFP)の算定にも対応しており、取引先から「この製品のCO2排出量データを出してほしい」と求められるケースにも対応できるのがポイントです。

e-dash は**「電力・ガスの請求書をアップロードするだけでCO2排出量が見える」手軽さ**が最大の特徴です。脱炭素対応を初めて行う中小企業にとって、「まず自社のScope 2排出量を把握する」という最初の一歩を、無料プランでコストをかけずに踏み出せるのは大きなメリットです。Scope 3の算定は主要カテゴリに対応しており、より網羅的な算定が必要な場合は算定支援コンサルティングを組み合わせるアプローチが用意されています。

アスエネ は**「AIを活用した高精度な排出量算定」**が特徴です。50,000品目以上の独自排出原単位データベースを搭載し、活動量データから排出カテゴリを自動分類するAI機能により、手作業での分類・算定の工数を大幅に削減できます。製造業など排出源が多岐にわたる企業にとって、AIによる自動分類は算定業務の効率化に直結します。

比較② サプライチェーン連携 ── 取引先の排出量データをどう集めるか

項目zeroboarde-dashアスエネ
サプライヤーデータ収集◎ サプライヤー向け入力ポータルで取引先の排出量データを直接収集。依頼〜回収〜集計のワークフローを管理○ 取引先への排出量データ提出依頼機能あり。三井物産グループのネットワークを活かしたサプライチェーン連携◎ 専用のサプライヤーポータルで排出量データを収集。未回答のサプライヤーへの自動リマインド機能も搭載
一次データ・二次データの使い分け◎ サプライヤーから取得した一次データ(実測値)と排出原単位DB(二次データ)を組み合わせた算定が可能○ 排出原単位DBによる二次データベースの算定が中心。一次データの取り込みも可能◎ 一次データと二次データのハイブリッド算定に対応。AIが一次データの精度を検証する機能あり
データ連携・API◎ ERPシステム(SAP等)・会計システムとのAPI連携。活動量データの自動取り込みが可能○ 電力会社のWeb明細データ取り込みに対応。主要会計ソフトとのCSV連携◎ ERPシステム・会計システム・エネルギー管理システムとのAPI連携に対応
グローバル対応◎ 多言語(日英中)対応。海外拠点のスタッフが現地語でデータを入力可能△ 日本語のみ。国内拠点向けの利用が前提◎ 日英2言語対応。海外サプライヤーとのデータ連携にも対応

サプライチェーン連携の総評:

zeroboardサプライヤー向けデータ収集ポータルを通じて、取引先の排出量データを効率的に収集する仕組みが整っています。日本語・英語・中国語の多言語対応により、海外サプライヤーを含むグローバルなサプライチェーン全体のデータ収集が可能です。SAP等のERPシステムとのAPI連携により、活動量データの手入力を減らし、算定業務の自動化を推進できるのも大きな強みです。

e-dash はサプライチェーン連携よりも**「まず自社の排出量を手軽に可視化する」ことに注力したサービス設計**です。三井物産グループのエネルギー事業のネットワークを活かし、電力の再エネ切り替えや省エネ施策の提案など、可視化した後の「削減アクション」まで一気通貫で支援してくれる点が特徴です。

アスエネ のサプライヤーポータルは、未回答のサプライヤーへの自動リマインド機能を搭載しており、データ収集の回収率向上に貢献します。AIによるデータ精度の検証機能もあり、サプライヤーから送られてきたデータの異常値を自動で検出して確認を促す仕組みが、算定データの信頼性確保に役立ちます。

比較③ レポーティング・開示対応 ── 投資家・取引先への報告に使えるか

項目zeroboarde-dashアスエネ
対応フレームワーク◎ GHGプロトコル・TCFD・CDP・CSRD・ISSB・SBTi・RE100など主要フレームワークに対応○ GHGプロトコル・TCFD・CDPの基本フレームワークに対応◎ GHGプロトコル・TCFD・CDP・CSRD・SBTiに対応。第三者保証対応の算定ロジック
レポート自動生成◎ 開示フレームワークに準拠したレポートをワンクリックで自動生成。CDP回答支援機能あり◎ CO2排出量レポートの自動出力。グラフ・チャート付きの経営報告資料を生成◎ フレームワーク準拠のレポート自動生成。AIによる開示文書のドラフト作成支援
削減目標・進捗管理◎ SBTi認定目標の設定・進捗トラッキング。削減シナリオのシミュレーション機能◎ 削減目標の設定と進捗管理。電力の再エネ切り替えによる削減効果の自動計算◎ 削減目標設定・進捗管理・施策別の削減効果シミュレーション
第三者保証対応◎ 監査法人・第三者検証機関による保証取得に対応した算定ロジックとエビデンス管理○ 基本的な算定エビデンスの管理に対応。第三者保証取得はコンサルティング支援あり◎ 第三者保証対応を前提とした算定ロジック。エビデンスの自動紐付け・監査トレイル機能
ダッシュボード◎ 拠点別・事業部別・Scope別のCO2排出量をリアルタイムにダッシュボードで可視化◎ 月次推移・電力使用量・CO2排出量をグラフで直感的に可視化。経営層向けのシンプルなUI◎ Scope別・カテゴリ別・期間別の排出量をダッシュボードで可視化。AIによるトレンド分析

レポーティング・開示対応の総評:

zeroboardTCFD・CDP・CSRD・ISSBなど主要な国際開示フレームワークに幅広く対応し、レポートの自動生成機能が充実している点が強みです。CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)の質問書への回答を支援する機能もあり、毎年のCDP回答作業の工数削減に直結します。SBTi認定目標の設定・進捗トラッキング機能により、「削減目標を立てて→進捗を管理して→開示する」という脱炭素経営のPDCAをプラットフォーム上で完結できます。

e-dashダッシュボードは経営層が直感的に理解できるシンプルなUI設計が特徴です。CO2排出量の月次推移や電力使用量のグラフを、専門知識がなくても読み取れるデザインになっているため、「まずは経営会議で自社の排出状況を共有したい」というニーズにぴったりです。再エネ電力への切り替えによる削減効果を自動で計算してくれる機能もあり、「可視化→削減アクション」のサイクルをスムーズに回せるのがポイントです。

アスエネ第三者保証の取得を前提とした算定ロジックが特徴で、算定の各ステップにエビデンス(証憑書類)を紐付けて管理できる監査トレイル機能が用意されています。今後、有価証券報告書でのESG情報開示にあたって第三者保証が求められるケースでは、「算定結果の正確性を外部に証明できるか」が重要になるため、この点はアスエネの大きなアドバンテージです。

比較④ 料金体系・導入サポート ── コストと始めやすさ

項目zeroboarde-dashアスエネ
料金モデル要問い合わせ(企業規模・拠点数・算定範囲に応じた年間サブスクリプション)無料プラン(Scope 2の可視化)あり / 有料プランは要問い合わせ要問い合わせ(企業規模・算定範囲に応じた年間サブスクリプション)
無料プラン・トライアルデモ・無料トライアルあり(要問い合わせ)◎ 無料プランで電力・ガスのCO2排出量可視化を永続利用可能デモ・無料トライアルあり(要問い合わせ)
導入支援◎ 専任のカスタマーサクセスチームが算定方針の策定から伴走。オンボーディングプログラムあり◎ 導入サポート・算定支援コンサルティング。三井物産グループのエネルギー事業者ネットワークを活用した省エネ提案◎ 専任のサステナビリティコンサルタントが算定業務を支援。第三者保証取得のサポートも提供
導入実績◎ 国内5,000社以上。上場企業・メーカー・金融機関など大手企業の導入多数◎ 国内4,000社以上。三井物産グループのネットワークを活かした中堅企業への展開◎ 国内3,000社以上。製造業・建設業を中心にサプライチェーン単位での導入が多い
日本語サポート◎ 日本企業が開発・運営。日本語での専任サポート・日本のESG規制に精通◎ 日本企業が開発・運営。日本語サポート完備・日本の脱炭素政策に沿った機能設計◎ 日本企業が開発・運営。日本語サポート完備・日本の環境規制対応に精通

料金体系・導入サポートの総評:

zeroboard は企業規模に応じた個別見積もりの料金体系です。国内5,000社以上の導入実績を持ち、上場企業やグローバルメーカーでの採用が多いことからも、エンタープライズ品質のプラットフォームとしての信頼性が高いといえます。専任のカスタマーサクセスチームによる伴走型の導入支援があり、「初めてGHG算定に取り組む」企業でも、算定方針の策定からレポーティングまでサポートを受けながら進められます。

e-dash無料プランでScope 2のCO2排出量可視化を始められるのが最大の強みです。「まだ予算は取れないが、とりあえず自社の排出量を知りたい」という段階の中小企業にとって、コストゼロで脱炭素の第一歩を踏み出せるのは非常にありがたいポイントです。三井物産グループの強みを活かし、電力の調達先変更(再エネ電力への切り替え)や省エネ機器の導入など、具体的な削減アクションまで支援してくれる一気通貫のサービス設計が魅力です。

アスエネ は専任のサステナビリティコンサルタントが算定業務に伴走するサポート体制が特徴です。特に製造業や建設業など排出源が多い業種では、算定範囲の設定や排出原単位の選択など専門的な判断が必要な場面が多く、コンサルタントの知見が大きな助けになります。第三者保証の取得サポートまでカバーしている点は、将来的にESG情報開示の保証取得を見据える企業にとって安心材料です。

「ツール導入 = 脱炭素完了」ではありません
CO2排出量管理ツールはあくまで「可視化と管理の基盤」であり、排出量を減らすには具体的な削減施策(再エネ電力への切り替え・省エネ設備の導入・サプライチェーンの見直しなど)を実行に移すことが必要です。ツール選定と同時に、自社の脱炭素ロードマップを経営戦略として位置づけ、PDCAを回す体制を整えるのが大切です。
まずは「自社の排出量を知る」ことから始めるのがおすすめです
脱炭素対応の最初のハードルは「何から手をつければいいかわからない」ことです。e-dashの無料プランなら電力・ガスの請求書をアップロードするだけでScope 2の排出量が把握でき、zeroboardやアスエネもデモ・トライアルが用意されています。まずは自社のCO2排出量の全体像を掴んでから、「どこを削減すべきか」「どのフレームワークで開示すべきか」を検討するのが効率的です。

導入前に確認しておきたいポイント

「Scope 3の算定」は段階的に取り組むのがおすすめです

Scope 3は15カテゴリに分かれており、すべてを一度に算定しようとすると膨大な工数がかかります。まずは自社にとって排出量が大きいカテゴリ(多くの場合、カテゴリ1「購入した製品・サービス」やカテゴリ4「輸送・配送(上流)」)から着手し、段階的に算定範囲を広げていくのが現実的です。

「排出原単位の選び方」で算定結果が大きく変わります

同じ活動量データでも、どの排出原単位(排出係数)を使うかで算定結果は数倍変わることがあります。環境省の排出原単位DBを使うのか、IDEAなどの産業連関表ベースのDBを使うのか、サプライヤーの一次データを使うのかで精度も変わります。ツール導入前に「自社の算定に必要な排出原単位がカバーされているか」を確認しておくと安心です。

「開示義務の対象かどうか」で求められる機能レベルが変わります

有価証券報告書でのサステナビリティ情報開示が義務付けられている上場企業と、取引先からの要請で任意に排出量を報告する中小企業では、必要な機能レベルが大きく異なります。上場企業であれば第三者保証対応やCDP回答支援が重要になりますし、中小企業であれば「まずは低コストで可視化を始められること」が最優先になるケースが多いです。

よくある質問

CO2排出量管理ツールの導入にはどの程度の期間がかかりますか?
Scope 2の可視化だけなら、e-dashの無料プランのように請求書をアップロードするだけで即日始められます。Scope 1〜3を網羅的に算定する場合は、算定方針の策定・データ収集体制の構築・排出原単位の選定などを含めて、導入から初回算定完了まで2〜3カ月程度が一般的です。zeroboardやアスエネでは導入支援コンサルタントが伴走してくれるため、初めてのGHG算定でもスムーズに進められます。
ExcelでのCO2排出量算定から切り替えるメリットは何ですか?
最大のメリットは「算定の正確性向上」と「工数削減」です。Excelでの手計算では、排出原単位の更新漏れ・計算式のミス・データの転記エラーが起きやすく、算定結果の信頼性に課題が残ります。クラウドツールなら排出原単位DBが自動更新され、データ入力から算定結果の算出まで自動化されるため、ヒューマンエラーのリスクを大幅に低減できます。また、過年度データとの比較や拠点別の分析もダッシュボードで即座に確認できるため、経営判断のスピードも上がります。
中小企業でも導入する必要がありますか?
「義務」という意味では、現時点で非上場の中小企業にCO2排出量の開示義務はありません。しかし、大手企業がサプライチェーン全体のカーボンニュートラルを推進する中で、「取引先としてCO2排出量データの提出を求められる」ケースは確実に増えています。将来的に取引条件になる可能性を踏まえ、早めに自社の排出量を把握しておくことは経営リスクの低減につながります。e-dashの無料プランなど低コストで始められるサービスを活用して、まずは現状把握から着手するのがおすすめです。
3サービスのうち、製造業に最も向いているのはどれですか?
製造業ではScope 1のプロセス排出(原材料の化学変化に伴うCO2排出)やScope 3のサプライチェーン排出量の算定が特に重要です。グローバルに拠点がある大手製造業なら、80カ国以上の排出原単位DBと多言語対応を持つzeroboardが適しています。サプライヤーとのデータ連携と第三者保証対応を重視するならアスエネが強みを発揮します。まずは排出量の全体像を掴みたい段階であれば、e-dashから始めて必要に応じてステップアップするのも賢い選択肢です。

編集部の結論

大切なのは「CO2排出量管理ツールを導入すること」自体ではなく、「自社の脱炭素経営の課題──排出量の可視化・削減施策の実行・ステークホルダーへの開示──のうち、今どのフェーズにいるかを見極め、そのフェーズに最適なツールを選ぶこと」です。

「グローバル拠点を含むScope 1〜3を一元管理したい」「CDP・TCFD・CSRDなど複数の国際開示フレームワークに対応する必要がある」「製品別カーボンフットプリントの算定も求められている」企業にはzeroboardがおすすめです。

「まずは低コストでCO2排出量の可視化を始めたい」「請求書をアップロードするだけで手軽にスタートしたい」「排出量の可視化だけでなく、再エネ切り替えや省エネ施策の提案まで一気通貫で支援してほしい」企業にはe-dashがおすすめです。

「AIを活用して排出量算定の精度と効率を高めたい」「サプライチェーン全体の排出量をデータドリブンに管理したい」「将来的に第三者保証の取得を見据えた算定体制を構築したい」企業にはアスエネがおすすめです。

迷ったら、まずe-dashの無料プランで自社のScope 2排出量を可視化してみるのがおすすめです。「自社がどれだけCO2を排出しているか」が数字で見えるだけでも、脱炭素経営の議論が具体的に動き出すきっかけになります。

まとめ:選び方の3つのポイント

  • グローバル対応+フルScope算定+国際開示フレームワーク対応なら → zeroboard(株式会社ゼロボード運営・Scope 1〜3の15カテゴリ完全対応・80カ国以上の排出原単位DB搭載・多言語対応(日英中)・製品別カーボンフットプリント算定・CDP/TCFD/CSRD/ISSB/SBTi対応レポート自動生成・ERPシステム連携・専任カスタマーサクセスによる伴走支援・国内5,000社以上の導入実績)
  • 手軽にスタート+無料プラン+削減アクション支援なら → e-dash(e-dash株式会社運営・三井物産グループ・電力/ガスの請求書アップロードで即座にCO2可視化・無料プランでScope 2永続利用可・直感的なダッシュボード・再エネ電力切り替え支援・省エネ施策提案・算定支援コンサルティング・国内4,000社以上の導入実績)
  • AI高精度算定+サプライチェーン管理+第三者保証対応なら → アスエネ(アスエネ株式会社運営・AI搭載の排出量算定エンジン・50,000品目以上の排出原単位DB・サプライヤーデータ収集ポータル+自動リマインド・第三者保証対応の算定ロジック+監査トレイル・AIによるトレンド分析・専任サステナビリティコンサルタントの伴走支援・国内3,000社以上の導入実績)