SASE・ゼロトラストセキュリティプラットフォーム導入検討のイメージ
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「社内ネットワークの内側は安全」── その前提が通用しない時代に入りました

結論から言います。 SASE・ゼロトラストセキュリティプラットフォームを選ぶうえで最も重要なのは、「VPNの代わりにリモートアクセスできること」ではなく「自社のセキュリティ課題──クラウドファーストへの移行に合わせてネットワークとセキュリティをまるごとクラウドネイティブに統合したいのか、SaaS利用の急増に対してデータ保護とシャドーIT対策を高精度に実現したいのか、既存のファイアウォール運用のノウハウを活かしながら段階的にゼロトラストへ移行したいのか──を踏まえ、“自社のネットワークアーキテクチャを根本から変革できるセキュリティ基盤”を選ぶこと」です。

「リモートワークが定着したが、VPNの帯域が足りずに社員から『遅い』とクレームが来ている」「SaaS利用が急増しているが、社員がどのクラウドサービスにどんなデータをアップロードしているのか把握できていない」「ゼロトラストが必要だと経営層に説明されたが、何から手をつければいいのかわからない」── こうした状況に心当たりはないでしょうか。

  • リモートワーク・ハイブリッドワークの普及でVPN接続がボトルネックになっている
  • 社員が利用するSaaSが数十〜数百種類に増え、IT部門が全体像を把握しきれていない
  • 拠点ごとにファイアウォールやプロキシを設置・管理するコストと運用負荷が膨らんでいる
  • クラウドサービスへの機密データのアップロードやシャドーITのリスクが可視化できていない
  • 取引先やグループ会社からゼロトラストセキュリティの対応状況を問われるようになってきた

今回はこの「SASE・ゼロトラストセキュリティプラットフォーム」の中から、異なるアプローチを持つ3サービス──Zscaler・Netskope・Palo Alto Networks Prisma Access──を、企業のネットワークセキュリティ変革の実務に即した観点で比較します。

この記事で分かること
・Zscaler / Netskope / Prisma Access の「本質的な違い」── クラウドネイティブに設計されたインラインプロキシ型のセキュリティプラットフォームか、データ保護とCASBを核としたクラウドセキュリティに強いプラットフォームか、次世代ファイアウォールの知見を活かしたネットワーク+セキュリティ統合プラットフォームか
・ゼロトラスト実装 ── ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)のアーキテクチャと接続制御の仕組み
・クラウドセキュリティ ── CASB・DLP・シャドーIT検知のカバー範囲と精度
・ネットワーク最適化 ── SD-WAN統合・通信品質・拠点接続の柔軟性
・料金体系 ── ライセンス構成・企業規模に応じたコスト感と導入パス
この記事は「SASE(Secure Access Service Edge)プラットフォーム」に焦点を当てています
従来型のファイアウォール・VPN・プロキシといった個別のネットワークセキュリティ機器とは異なり、本記事ではネットワーク機能(SD-WAN・ZTNA)とセキュリティ機能(SWG・CASB・DLP・FWaaS)をクラウド上で統合して提供するSASEプラットフォームを取り上げます。EDR(エンドポイント検知)やWAF(Webアプリケーションファイアウォール)については、それぞれEDR比較の記事WAF比較の記事をご覧ください。

SASE・ゼロトラストの基礎知識

比較に入る前に、なぜ今「ゼロトラスト」と「SASE」が企業のネットワークセキュリティの大きなテーマになっているのか、基本的な仕組みを整理しておきましょう。

ゼロトラストとは ── 従来のネットワークセキュリティは「社内ネットワークの内側は信頼する(境界型防御)」という前提に基づいていました。ゼロトラストはこの前提を捨て、「すべてのアクセスを常に検証し、最小限の権限だけを付与する」というセキュリティモデルです。ユーザーがオフィスにいても、自宅にいても、カフェにいても、同じレベルのセキュリティ検証が行われます。

SASE(Secure Access Service Edge)とは ── Gartnerが2019年に提唱した概念で、ネットワーク機能(SD-WAN)とネットワークセキュリティ機能(SWG・CASB・ZTNA・FWaaS)をクラウド上で統合して提供するアーキテクチャです。拠点ごとにハードウェアを設置する従来のモデルに代わり、クラウドから一元的にネットワークとセキュリティを提供します。

なぜ今、SASE・ゼロトラストが必要なのか:

① 「境界」がなくなった: リモートワークの普及により、社員はオフィスだけでなく自宅やカフェ、出張先からも業務システムにアクセスします。業務データもオンプレミスのサーバーだけでなく、Microsoft 365やGoogle WorkspaceといったSaaS、AWSやAzureといったIaaSに分散しています。「社内ネットワークの内側」という境界そのものが意味を成さなくなっているのが実情です。

② VPNの限界が露呈した: リモートワークが全社規模に広がると、VPN接続に社員が集中し、通信速度の低下や接続切断が頻発します。また、VPNは一度接続すると社内ネットワーク全体にアクセスできてしまうため、万が一の侵害時の被害範囲が広がるリスクもあります。

③ SaaS利用の急増でシャドーITが深刻化している: 社員が業務で利用するSaaSは年々増加しており、IT部門が把握していないサービス(シャドーIT)に機密データがアップロードされるリスクが高まっています。従来のファイアウォールやプロキシでは、SaaSの利用状況をきめ細かく制御することが難しいのが現状です。

SASE・ゼロトラストに関する基本用語:

  • ZTNA(Zero Trust Network Access): アプリケーション単位でアクセスを制御するゼロトラスト型のリモートアクセス技術。VPNのように「ネットワーク全体に接続する」のではなく、「特定のアプリケーションにのみアクセスを許可する」
  • SWG(Secure Web Gateway): クラウド上で動作するWebプロキシ。すべてのWebトラフィックを検査し、マルウェアサイトや不正なコンテンツへのアクセスをブロックする
  • CASB(Cloud Access Security Broker): SaaSの利用状況を可視化し、データの流出やポリシー違反を検知・制御するセキュリティサービス
  • DLP(Data Loss Prevention): 機密情報の社外への流出を検知・防止する技術。メール送信・ファイルアップロード・クリップボードコピーなどの経路を監視する
  • FWaaS(Firewall as a Service): クラウド上で提供されるファイアウォール。拠点ごとにハードウェアファイアウォールを設置する必要がない
  • SD-WAN(Software Defined WAN): WANをソフトウェアで制御し、拠点間の通信経路を最適化する技術。インターネット回線と専用回線を柔軟に使い分けられる

3サービスの基本比較 ── まず全体像を掴みましょう

項目ZscalerNetskopePrisma Access
運営Zscaler, Inc.(米国・日本法人あり)Netskope, Inc.(米国・日本法人あり)Palo Alto Networks, Inc.(米国・日本法人あり)
アプローチクラウドネイティブ設計のインラインプロキシ型セキュリティプラットフォーム。すべてのトラフィックをクラウド上で検査する「ゼロトラスト・エクスチェンジ」が中核データ保護・CASB機能を核としたクラウドセキュリティプラットフォーム。SaaS利用の可視化と制御に強い「Intelligent SSE」が特徴次世代ファイアウォール(NGFW)のリーダーが開発したSASEプラットフォーム。ネットワークとセキュリティの両方をフルスタックでカバー
対象ユーザークラウドファースト戦略を推進する中堅〜大企業・グローバル企業SaaS利用が多くデータ保護を重視する中堅〜大企業既存のPalo Alto製品との統合を含め、段階的にSASEへ移行したい中堅〜大企業
導入形態SaaS(クラウド提供)SaaS(クラウド提供)SaaS(クラウド提供)
料金要問い合わせ(ユーザー数・利用機能に応じた年間サブスクリプション)要問い合わせ(ユーザー数・利用機能に応じた年間サブスクリプション)要問い合わせ(ユーザー数・利用機能に応じた年間サブスクリプション)
特長世界150以上のデータセンター・1日あたり4,000億以上のトランザクション処理・完全クラウドネイティブ設計(オンプレミス機器不要)・AIによる脅威検知・デジタルエクスペリエンス監視60,000以上のSaaSアプリ対応のCASB・高精度DLP・リアルタイムデータ保護・SaaSセキュリティポスチャ管理(SSPM)・特許取得済みのゼロトラストエンジン次世代FWの脅威防御技術をクラウドで提供・Autonomous DEM(デジタルエクスペリエンス管理)・Prisma SD-WANとのネイティブ統合・AIオペレーションズ

比較① ゼロトラスト実装 ── 「誰が・どこから・何にアクセスするか」をどう制御するか

項目ZscalerNetskopePrisma Access
ZTNAアーキテクチャ◎ Zscaler Private Access(ZPA)によるアプリケーション単位のアクセス制御。ユーザーとアプリを直接接続し、ネットワーク全体を公開しない「インサイドアウト接続」方式◎ Netskope Private Access(NPA)によるZTNA。アプリケーション検出とマイクロセグメンテーションで最小権限アクセスを実現◎ Prisma Access ZTNAによるアプリケーション単位のアクセス制御。GlobalProtect クライアントと統合し、VPNからの段階的移行が可能
認証・アイデンティティ連携◎ Azure AD・Okta・Ping Identity等の主要IdPとSAML/SCIM連携。デバイスポスチャ・ユーザーリスクスコアに基づく動的ポリシー◎ 主要IdPとのSAML/SCIM連携。ユーザー行動分析(UEBA)によるリスクベースのアクセス制御◎ 主要IdPとのSAML/SCIM連携。Cloud Identity Engine による一元的なID管理とポリシー適用
デバイスポスチャチェック◎ Zscaler Client Connector がエンドポイントのセキュリティ状態(OS更新・EDR稼働・ディスク暗号化等)をリアルタイムに評価◎ Netskope Client がデバイスのコンプライアンス状態を評価。CrowdStrike・Microsoft Defender等のEDR連携でリスクスコアを取得◎ GlobalProtect クライアントがデバイスのセキュリティ状態を評価。Cortex XDRとのネイティブ連携で高精度なデバイス評価
マイクロセグメンテーション◎ アプリケーション単位の接続制御で、ユーザーは許可されたアプリケーションのみにアクセス。ラテラルムーブメント(横移動)を防止◎ ゼロトラストポリシーによるアプリケーション単位のセグメンテーション。ユーザー・デバイス・アプリ・データの4要素でアクセスを制御◎ アプリケーション単位のアクセス制御に加え、App-IDテクノロジーによる通信の可視化とセグメンテーション

ゼロトラスト実装の総評:

Zscaler の強みは完全クラウドネイティブに設計された「ゼロトラスト・エクスチェンジ」アーキテクチャです。従来のVPNのように「ネットワークに接続する」のではなく、ユーザーとアプリケーションを1対1で直接つなぐ「インサイドアウト接続」を採用しているため、アプリケーションがインターネットから完全に隠蔽されます。攻撃者からアプリケーションの存在が見えないため、攻撃対象面(アタックサーフェス)を最小化できるのがポイントです。

Netskopeユーザー行動分析(UEBA)とリスクベースのアクセス制御が特徴です。単に「認証が通ったかどうか」ではなく、ユーザーの行動パターン(普段と異なる時間帯のアクセス、大量データのダウンロードなど)を分析し、リスクスコアに基づいてリアルタイムにアクセス権限を調整します。「認証は通っているが行動が不審」というケースを検知できるため、内部不正やアカウント侵害への対応力が高いといえます。

Prisma Access の特徴は既存のPalo Alto Networks製品からの段階的な移行パスが用意されている点です。すでにPalo AltoのGlobalProtect VPNを利用している企業であれば、同じクライアントソフトを使いながらZTNAへ段階的に移行できます。Cortex XDR(EDR)とのネイティブ連携により、デバイスの脅威検知結果をリアルタイムにアクセスポリシーへ反映できるのも大きなメリットです。

比較② クラウドセキュリティ ── SaaSの利用をどこまで可視化・制御できるか

項目ZscalerNetskopePrisma Access
CASB(SaaS可視化・制御)◎ インラインCASBによるリアルタイムのSaaS利用監視。シャドーIT検知・SaaSアプリのリスク評価・テナント制御に対応◎ 60,000以上のSaaSアプリに対応するマルチモードCASB(インライン+API)。業界最高レベルのSaaS可視化精度を誇り、アプリ内のアクション単位(アップロード・共有・編集等)で制御可能◎ SaaS Security(インラインCASB)+Next-Gen CASBによるSaaS可視化・制御。SaaSアプリのセキュリティ設定ミスも検出
DLP(データ流出防止)◎ インラインDLPでWeb・SaaS・メールを横断的にデータ保護。Exact Data Match(EDM)・OCR・機械学習による高精度な機密データ検知◎ 業界最高レベルの精度を持つDLPエンジン。クラウド・Web・メール・エンドポイントを統合的にカバー。3,000以上のデータ識別子・100以上のファイルタイプ・40以上の言語に対応◎ Enterprise DLPがクラウド・Web・SaaS上のデータを保護。ML/AIベースの機密データ分類・カスタムDLPルールの柔軟な定義が可能
SWG(Webゲートウェイ)◎ Zscaler Internet Access(ZIA)によるフルインラインSSL/TLSインスペクション。すべてのWebトラフィックをクラウドで検査し、マルウェア・フィッシング・情報漏洩をブロック◎ Next Gen SWGがリアルタイムでWebトラフィックを検査。クラウドネイティブ設計でSSLインスペクションのパフォーマンス低下を最小化◎ クラウド型SWGがすべてのWebトラフィックを検査。URLフィルタリング・SSLデクリプション・脅威防御を統合
シャドーIT対策◎ SaaS利用状況をリアルタイムで可視化。未承認SaaSの利用をブロックまたは読み取り専用に制限◎ Cloud Confidence Index(CCI)で60,000以上のSaaSアプリをリスク評価・スコアリング。未承認SaaSの代替として承認済みサービスへの誘導も可能◎ SaaS利用の可視化とリスク評価。App-IDによるアプリケーション識別と制御
SSPM(SaaSセキュリティ設定管理)◎ Zscaler SaaS Supply Chain SecurityでSaaSの設定ミスやリスクを検出◎ SaaS Security Posture Management(SSPM)でMicrosoft 365・Salesforce・Slack等の主要SaaSの設定ミス・過剰な権限付与を自動検出・修復提案◎ SaaS Security Posture ManagementでSaaSの設定ミスを継続的に監視。コンプライアンス基準との差分をレポート

クラウドセキュリティの総評:

Zscaler のSWG(Zscaler Internet Access)は世界150以上のデータセンターで1日あたり4,000億以上のトランザクションを処理しており、規模と実績の面で突出しています。すべてのWebトラフィックをクラウド上でフルインスペクション(SSL/TLS復号を含む完全な検査)する設計思想により、暗号化通信に潜むマルウェアやフィッシングも見逃さない徹底したセキュリティを実現しています。

Netskope の最大の強みはCASBとDLPの精度と細かさです。60,000以上のSaaSアプリに対応し、単にアプリの利用を許可/ブロックするだけでなく、アプリ内の特定のアクション(ファイルのアップロードは許可するがダウンロードはブロック、個人アカウントでの利用はブロックするが法人テナントでの利用は許可、など)を細かく制御できます。DLPエンジンは3,000以上のデータ識別子と40以上の言語に対応しており、日本語の個人情報(マイナンバー・口座番号等)も高精度に検知します。

Prisma AccessPalo Alto Networksの次世代ファイアウォールで培った脅威防御技術をクラウドで提供しています。App-IDによるアプリケーション識別は、従来のポート番号やプロトコルだけでなくアプリケーションレベルで通信を分類するため、「ポート443を使うすべてのHTTPS通信」を一律に扱うのではなく、「Microsoft Teams」「Slack」「ChatGPT」といった具体的なアプリケーション単位での制御が可能です。

比較③ ネットワーク最適化 ── 通信品質と拠点接続の柔軟性

項目ZscalerNetskopePrisma Access
グローバルネットワーク◎ 世界150以上のデータセンター(PoP)。主要クラウドサービスとのダイレクトピアリングにより低遅延接続を実現◎ 世界75以上のリージョンに展開するNewEdgeネットワーク。主要クラウド・SaaSプロバイダーとの直接接続◎ 世界100以上のロケーションに展開。Palo Alto Networksの専用バックボーンネットワークで拠点間通信を最適化
SD-WAN統合○ パートナーSD-WAN(Silver Peak / Aruba・VMware SD-WAN等)との連携。Zscaler自体はSD-WAN機能を内包していないが、主要SD-WANベンダーとのインテグレーションが整備済み○ パートナーSD-WANとの連携に対応。Netskope Borderlessにより、SD-WANとSSEの統合管理が可能◎ Prisma SD-WANをネイティブに統合。SD-WANとセキュリティを単一のプラットフォームで一元管理できる「真のSASE」を実現
拠点接続◎ GREトンネル・IPsecトンネルで拠点からZscalerクラウドへ直接接続。拠点にファイアウォールを設置する必要がなく、インターネットブレイクアウトが可能◎ IPsecトンネル・GREトンネルで拠点接続に対応。拠点からのトラフィックをNetskopeクラウドで一元的にセキュリティ検査◎ IPsecトンネル・GREトンネルに加え、Prisma SD-WANアプライアンスによる高度な拠点接続。拠点間のメッシュ接続もサポート
デジタルエクスペリエンス監視◎ Zscaler Digital Experience(ZDX)がユーザーのデバイスからアプリケーションまでの通信経路をエンドツーエンドで可視化。遅延・パケットロスの原因特定を支援◎ Proactive Digital Experience Management(DEM)が通信品質を監視。SaaS・Webアプリのパフォーマンス低下をリアルタイムに検知◎ Autonomous Digital Experience Management(ADEM)がAIでネットワーク問題を自動検知・診断。ユーザーからの申告前にIT部門が問題を把握可能

ネットワーク最適化の総評:

Zscaler世界最大級のクラウドセキュリティネットワークを持ち、150以上のデータセンターからセキュリティサービスを提供しています。Microsoft 365やAWSなどの主要クラウドサービスとダイレクトピアリング(直接接続)しているため、ユーザーのトラフィックが最短経路でクラウドサービスに到達します。SD-WANは自社製品を持たず、パートナー製品との連携で対応するアプローチのため、SD-WAN選定の自由度は高い一方、セキュリティとネットワークの統合管理という点ではワンストップにならない面もあります。

NetskopeNewEdgeネットワークは、75以上のリージョンに展開し、主要なクラウドプロバイダーのデータセンターと直接接続しています。特にSaaSアプリケーションへのアクセス経路を最適化する設計になっており、Microsoft 365やSalesforceなどの頻繁に利用するSaaSへの通信品質が安定しやすいのが特徴です。

Prisma AccessSD-WANをネイティブに統合している唯一のサービスです。Prisma SD-WANとの一体型アーキテクチャにより、セキュリティ機能(SWG・CASB・ZTNA・FWaaS)とネットワーク機能(SD-WAN・QoS・トラフィック最適化)を単一のプラットフォームから一元管理できます。Gartnerが定義する「シングルベンダーSASE」の要件を満たしており、ネットワークとセキュリティを別々のベンダーから調達・統合する手間を省きたい企業にとって有力な選択肢です。

比較④ 料金体系・導入サポート ── コストと導入パス

項目ZscalerNetskopePrisma Access
料金モデルユーザー数ベースの年間サブスクリプション。ZIA(インターネットアクセス)とZPA(プライベートアクセス)を個別または統合パッケージで契約ユーザー数ベースの年間サブスクリプション。SSE(SWG+CASB+ZTNA)統合パッケージと個別モジュール契約の両方に対応ユーザー数ベースの年間サブスクリプション。SASE統合パッケージ(セキュリティ+SD-WAN)と個別モジュール契約の両方に対応
段階的導入◎ ZIA(SWG)から始めてZPA(ZTNA)を追加する段階導入が可能。まずWebセキュリティを刷新し、次にVPNを置き換えるステップバイステップの移行が一般的◎ SWGまたはCASBから始めて、DLP・ZTNA・SD-WANと段階的に拡張可能。データ保護を最優先に、セキュリティ機能を段階追加するパターンが多い◎ GlobalProtect VPNからPrisma Access ZTNAへの段階移行が可能。既存Palo Alto環境からのスムーズな移行パスが整備
導入支援◎ 日本法人による日本語サポート。認定パートナー(SIer)を通じた設計・導入支援。PoC(概念実証)プログラムあり◎ 日本法人による日本語サポート。認定パートナーを通じた導入支援。テクニカルアカウントマネージャー(TAM)によるハンズオン支援◎ 日本法人による日本語サポート。大規模なパートナーエコシステム(NTTデータ・富士通・NEC等の大手SIer)。Unit 42によるセキュリティコンサルティング
導入実績◎ 世界8,000社以上(Fortune 500の40%以上)。日本国内でも大手金融・製造・通信企業で多数の導入実績◎ 世界3,500社以上(Fortune 100の30%以上)。日本国内でも金融・製造・商社を中心に導入が拡大◎ Palo Alto Networks全体で世界80,000社以上。Prisma Accessは大手企業を中心に急速に導入拡大中。日本国内でもエンタープライズ導入多数
日本語対応◎ 管理コンソール日本語対応・日本語テクニカルサポート・日本語ドキュメント◎ 管理コンソール日本語対応・日本語テクニカルサポート・日本語ドキュメント◎ 管理コンソール日本語対応・日本語テクニカルサポート・日本語ドキュメント。国内パートナーの層が厚い

料金体系・導入サポートの総評:

ZscalerZIA(インターネットセキュリティ)から導入を始め、ZPA(プライベートアクセス)で既存VPNを段階的に置き換えるという明確な移行パスが特徴です。世界8,000社以上の導入実績とFortune 500の40%以上という採用率は、大規模環境での安定稼働の実績を示しています。日本法人が設立されており、日本語でのテクニカルサポートや認定パートナーを通じた導入支援も整っています。

NetskopeCASB/DLPから始めてSaaS利用の可視化を行い、次にSWG→ZTNA→SD-WANと段階的に拡張するというデータ保護中心の導入アプローチが取れます。テクニカルアカウントマネージャー(TAM)によるハンズオン支援は、初めてSASE/ゼロトラストに取り組む企業にとって心強いサポート体制です。

Prisma Access の最大のメリットは既存のPalo Alto Networks製品(ファイアウォール・GlobalProtect・Cortex XDR)との統合運用です。すでにPalo Altoのファイアウォールを全社展開している企業であれば、管理コンソール(Strata Cloud Manager)でオンプレミスのファイアウォールとクラウドのPrisma Accessを統一的に管理できます。また、NTTデータ・富士通・NEC・日立など日本の大手SIerがパートナーとして揃っているため、大規模なネットワーク刷新プロジェクトでも安心してSI支援を受けられます。

SASE導入は「ツール導入」ではなく「ネットワークアーキテクチャの変革」です
SASEプラットフォームの導入は、単にソフトウェアをインストールして終わりではありません。既存のVPN・ファイアウォール・プロキシの廃止計画、拠点ネットワークの再設計、認証基盤(IdP)との連携、社内アプリケーションのアクセスポリシー定義など、ネットワークとセキュリティの設計を根本から見直すプロジェクトになります。導入パートナー(SIer)の選定と、段階的な移行計画の策定が成功の鍵です。
まずは「現状の可視化」から始めるのがおすすめです
3社ともPoC(概念実証)やトライアルプログラムを提供しています。まずは一部のユーザーや部門を対象にトラフィックを可視化し、「自社の社員がどのSaaSをどれだけ使っているか」「VPN経由のトラフィックのうちどれだけがクラウドサービス向けか」を把握するところから始めると、導入後の効果を具体的にイメージしやすくなります。

導入前に確認しておきたいポイント

「SSE」と「SASE」の違いを理解しておくと、製品選定がスムーズになります

SSE(Security Service Edge)はSASEのセキュリティ機能部分(SWG・CASB・ZTNA)だけを指し、SASEはSSEにSD-WAN(ネットワーク最適化)を加えたものです。「まずセキュリティを刷新したい」ならSSE機能から導入を始め、「ネットワーク全体を最適化したい」ならSD-WANを含むフルSASE導入を検討するとよいでしょう。

既存のセキュリティ製品との統合・共存計画を立てておくと安心です

SASE導入後も、EDR・SIEM・IDaaSなどの既存セキュリティ製品は引き続き利用するケースがほとんどです。「SASEプラットフォームと既存のEDR(CrowdStrike・Microsoft Defender等)がどう連携するか」「ログをSIEMにどう転送するか」といった統合シナリオを事前に確認しておくと、導入後の運用がスムーズになります。

移行期間中のセキュリティギャップに注意が必要です

VPNからZTNAへの移行は一夜にして完了するものではなく、数カ月〜1年程度の移行期間が生じます。移行期間中は「VPNとZTNAの並行運用」が必要になるため、両方のセキュリティポリシーを整合性を持って管理する計画を立てておくことが大切です。

よくある質問

SASE・ゼロトラストの導入にはどの程度の期間がかかりますか?
段階的に導入する場合、最初のフェーズ(SWGの導入やSaaS可視化)は1〜3カ月程度で効果を実感できるケースが多いです。VPN全廃を含むフルSASE移行は、アプリケーションの棚卸し・アクセスポリシーの設計・拠点ネットワークの再構成を含めて6カ月〜1年以上かかるのが一般的です。多くの企業では「まずSWGやCASBで可視化→次にZTNAでVPN置き換え→最後にSD-WANで拠点最適化」というステップで段階的に進めています。
中堅企業(従業員500〜3,000人規模)でもSASE導入は現実的ですか?
はい、中堅企業でも十分に現実的です。3社とも中堅企業向けのパッケージや段階的導入プランを用意しています。特にリモートワークの比率が高い企業や、SaaS利用が多い企業では、VPN+ファイアウォールの運用コスト(機器の更改・ライセンス・運用工数)をSASEに置き換えることで、セキュリティ強化とコスト最適化を同時に実現できるケースがあります。
既存のVPNと並行運用できますか?
3社ともVPNとの並行運用に対応しています。一般的なアプローチは、まず一部のクラウドアプリケーション(Microsoft 365・Salesforce等)へのアクセスをSASE経由に切り替え、VPN経由のトラフィックを段階的に減らしていく方法です。VPNを完全に廃止するまでの間、両方のアクセス経路を維持しながら移行を進められます。
3サービスのうち、すでにPalo Altoのファイアウォールを使っている企業にはどれがおすすめですか?
Palo Alto Networksの製品を全社展開している企業であれば、Prisma Accessとの親和性が最も高いです。管理コンソール(Strata Cloud Manager)でオンプレミスのファイアウォールとPrisma Accessを統一管理でき、セキュリティポリシーの一貫性を保てます。Cortex XDR(EDR)との連携も容易です。ただし、ベンダーロックインを避けたい場合や、CASB/DLPの精度を最優先にしたい場合は、Zscaler・Netskopeも十分に検討する価値があります。

編集部の結論

大切なのは「SASEプラットフォームを導入すること」自体ではなく、「自社のネットワークセキュリティの課題──VPNの限界を解消したいのか、SaaS利用の可視化・データ保護を優先したいのか、ネットワークとセキュリティの統合管理を実現したいのか──を明確にし、その課題に最も強いプラットフォームを選ぶこと」です。

「クラウドファーストでネットワークセキュリティを刷新したい」「VPNを完全に廃止してゼロトラストに移行したい」「世界最大級のクラウドセキュリティ基盤で規模と実績を重視したい」企業にはZscalerがおすすめです。

「SaaS利用の可視化とデータ保護を最優先にしたい」「CASB・DLPの精度と細かさで妥協したくない」「シャドーIT対策を本格的に推進したい」企業にはNetskopeがおすすめです。

「既存のPalo Alto Networks製品と統合してSASEへ段階移行したい」「ネットワーク(SD-WAN)とセキュリティを単一ベンダーで統合管理したい」「シングルベンダーSASEを実現したい」企業にはPrisma Accessがおすすめです。

迷ったら、まず3社それぞれにPoCを依頼し、自社のトラフィックを実際に流してみるのがおすすめです。管理コンソールの使い勝手・SaaS可視化のレポート精度・通信速度の変化を実環境で比較すると、自社に最適なプラットフォームが見えてきます。

まとめ:選び方の3つのポイント

  • クラウドネイティブ設計+規模と実績+VPN全廃なら → Zscaler(Zscaler, Inc.運営・世界150以上のデータセンター・1日4,000億トランザクション処理・完全クラウドネイティブ設計・ZIA(SWG)+ZPA(ZTNA)の段階導入・AIによる脅威検知・ZDXによるデジタルエクスペリエンス監視・Fortune 500の40%以上が採用・日本語サポート完備)
  • CASB/DLP精度最高峰+SaaS可視化+データ保護最優先なら → Netskope(Netskope, Inc.運営・60,000以上のSaaSアプリ対応CASB・3,000以上のデータ識別子対応DLP・Cloud Confidence Index(CCI)によるSaaSリスク評価・NewEdgeネットワーク75以上リージョン・UEBA(ユーザー行動分析)・SSPM(SaaS設定管理)・日本語サポート完備)
  • シングルベンダーSASE+SD-WANネイティブ統合+既存Palo Alto環境との一元管理なら → Prisma Access(Palo Alto Networks運営・次世代FWの脅威防御技術をクラウドで提供・Prisma SD-WANネイティブ統合・App-IDによるアプリケーション識別・Cortex XDR連携・Autonomous DEM・GlobalProtectからの段階移行・大手SIerパートナーエコシステム・日本語サポート完備)